実装例

UTMDは、産学官連携による日本の社会課題のマーケットデザインによる解決に取り組んでいます。

企業・官公庁との共同プロジェクト

UTMDは、様々な企業・官公庁・自治体等と協力し、マーケットデザインの社会実装プロジェクトを推進しています。本ページでは、その一例をご紹介いたします。

労働市場領域

人事制度へのマッチング理論の活用

シスメックス株式会社との共同研究を通じて、マッチング理論による自律的なキャリア形成を実現する配属制度設計に取り組んでいます。

シスメックス社との共同研究成果報告動画公開のお知らせ:経済学の社会実装〜新入社員の人材配置マッチング〜 自ら選び、選ばれる—ジョブマッチングによる新卒社員の配属プロセス変革

複数企業・自治体を対象とした人材配置におけるマッチング理論活用の実証研究

一般社団法人 Data for Social Transformationとの共同研究を通じて、様々な企業・自治体の配属制度へのマッチング理論適用を進め、その効果を多面的に検証するプロジェクトを進めています。

ご協力いただける企業・自治体を募集しております。

The EVIDENCE 2022 マーケットデザイン理論を活用した人材配置の実証研究を小島先生にインタビューしてみた!

マッチング理論に基づいた人材配置制度の構築支援

マッチング理論の社内人事制度への適用にご関心のある企業様向けに、マッチング理論およびその実装方法の学術指導を行っています。

GPTモデルのレジュメ自動作成機能の性能評価

ビズリーチとの共同研究において「GPTモデルのレジュメ自動作成機能」の性能評価を実施

保育市場に関する実証研究

株式会社ネクストビートが運営する「保育士バンク!総研」との共同研究を開始

スポットワーク市場における働き手と事業者のマッチングの分析

株式会社タイミーと「スポットワーク市場における働き手と事業者のマッチング」に関する共同研究を開始

教育・保育領域

保育園の利用調整に関する研究

UTMDは株式会社サイバーエージェントとの共同研究により、待機児童を減らし、保護者の入園先希望を叶えられるような保育園入所選考ソリューションの開発に取り組んでいます。

保育園の利用調整に関する研究成果

生徒と講師の授業担当マッチング最適化

株式会社明光ネットワークジャパンと「生徒と講師の授業担当マッチング最適化」に関する共同研究契約を締結

災害・医療領域

原子力災害時の社会福祉施設の避難計画へのマッチング理論の応用

 東日本大震災の際、福島第一原発の事故を起因として多くの住民が避難することとなりました。特に福祉施設などに入所している要配慮者の避難先を調整するシステムが整っておらず、過酷な環境下での避難を強いられ、避難生活の長期化や、平均7回という移動回数の多さによる負担が大きな問題となりました。これを受けて、日本各地で原子力災害時の避難計画の整備が進められています。
 UTMDは、静岡県が進める浜岡原子力発電所の災害時における要配慮者避難計画の検討事業に協力し、中央集権的なマッチングの必要性の議論、マッチングに必要な情報の整理、複数のシナリオに沿った避難シミュレーションを行いました。

ワクチン接種予約受付へのマーケットデザイン活用

東京大学エコノミックコンサルティング株式会社と千代田区におけるワクチン接種に関するコンサルティングを開始

政策提言

マーケットデザインによる解決が有効と思われるトピックについて、政策提言を発表しています。

COVID-19ワクチンの配布計画とマッチング・マーケットデザイン

 2020年12月、複数の製薬会社が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの製作に成功し、世界各国でワクチンの配布が開始された。パンデミックを速やかに収束させるためには、ワクチンを速やかに、効率的に市民に配布することが必要不可欠である。本稿では、ワクチンの配布に関するロジスティクスをマッチング・マーケットデザインの問題として捉え、望ましいワクチン配布政策のあり方を議論する。

政策提言全文はこちらから(ワクチン配布計画)

公立高校入試制度の再設計に向けた提言: 単願制が引き起こす不公平とその解決策

 現在、多くの都道府県の公立高校入試制度では単願制または受験可能校数が厳しく限定された併願制が採用されており、生徒は限られた少数の高校しか受験することができない。このため、「成績の良い生徒が入学できないにもかかわらず、成績の悪い生徒が合格・入学する」という不公平な状況が頻繁に発生している。本稿では、この不公平を是正するために有用なマーケットデザインの学術知を、広く一般向けに、特に入試制度の設計に携わっている教育関係者の方々に向けて解説する。そして、マーケットデザインの知見を活かした新しい公立高校入試への制度の再設計を提言する。

政策提言全文はこちらから(公立高校入試制度)

PETボトルリサイクル入札の再設計に関する政策提言

 日本のPETボトルリサイクル市場は、海外諸国に類を見ない極めて高水準の回収率を達成しており、大量消費社会から循環型社会への転換という世界的潮流の中で、モデルケースとなりうる事例である。リサイクル市場という新しく誕生した市場がその機能を発揮し、社会を改善していくためには、社会科学的な知見を活かした適切な制度設計が不可欠である。本稿では特に、現在のPETボトルリサイクル市場の実情に即し、容器包装リサイクル法の中で義務付けられているPETボトルのリサイクル入札(自治体から再商品化事業者への収集されたPETボトルの売却)の改善案を議論する。現行の封印入札に基づくオークションは、解決すべき課題に対する適切な方式の選択とは言えないため、様々な弊害を引き起こしていると考えられるが、これを競り上げに基づく方式に切り替えることによって、社会厚生の改善と、日本のリサイクル市場のさらなる活性化を期待できる。

政策提言全文はこちらから(PETボトルリサイクル入札)