本センターでは以下の4つの領域を重点的に研究する体制をとっています。(この領域に入らないトピックであっても必要に応じて研究を行います)

労働市場

少子高齢化による労働人口の減少や就活ルールの変更などの社会変化を受け、制度設計による労働市場の改善は喫緊の課題です。例えば研修医の配属制度については研究所メンバーによる具体的な改善案が既に存在し、関係機関との協働によりさらなる研究や実装を目指します。就職活動の過度な早期化の是正、中途採用や定年後再雇用制度の改善、ハイキャリアを目指す中途退職者市場整備(キャリアマーケットデザイン)、また企業など組織内人事の効率化なども視野に入れており、官民の様々な組織と共同研究を行う予定です。

教育・保育

現代社会における教育の重要性は改めて指摘するまでもありませんが、稀少な教育資源をなるべく効率的かつ公平に分配するかは本センターの重要な研究課題です。例えば保育園のいわゆる「待機児童問題」を解決するために自治体の協力を得て現在行なっている研究をさらに進め、実装を目指します。他にも公立小中学校のいわゆる学校選択、高校・大学入試、東大の進学選択制度や研究室配属のような教育機関内のマッチング問題などを応用先として想定しており、これらに関して制度的知識を蓄えつつ実装を視野に入れた共同研究を目指します。

オークション

このプロジェクトでは、制度設計に金銭の移転を組み込むことによる望ましいプラットホーム設計を考案します。人類は古来せり上げなどのオークションを活用してきましたが、本プロジェクトは、既存のルールの利点と欠点を解明し、より良い設計を状況に即して提案します。具体的には、広範囲の事業利用が期待される電波周波数帯の配分および再配分のルール設計、仮想通貨を利用することでスタートアップを促進させるブロックチェーンプラットホーム開発、などが対象です。農産物市場オンライン化、空港発着枠配分、電力市場、金融システムなども考察対象にします。

災害・医療

地震や洪水などの災害大国であり少子高齢化の最も進んだ国である日本にとって、災害・医療・介護などに関する諸制度の重要性は増すばかりです。またコロナウイルスに代表される感染症の脅威に対して有効な制度を作ることが強く求められています。このプロジェクトでは日本以外において進んだ臓器移植ネットワークの制度設計の実装、パンデミック対策としてのワクチンや検査キット・治療薬の配分、さらには検査と入院治療の優先付けや、いわゆる「トリアージ」の在り方など医療資源の望ましい配分方法の開発などを目指します。また災害に関しては救援物資の配分や(仮設)住宅と被災者のマッチング、被災直後に急増するボランティアを異なる被災地域に最適に配分するための制度作りなどを研究対象とします。さらには高齢者の特養への入居決定やいわゆる「フードバンク」の食品振り分けなど、広く社会のセーフティネットを改善するための制度設計研究を行う予定です。